メーカーでデータアナリストをしている筆者(専修大学ファン)が、統計学の視点で箱根駅伝のデータを分析してみました。
今回の分析内容
今回は、以下2つの分析から箱根駅伝における重要区間をあぶり出してみました。
①タイム差がつきやすい区間はどこか?
②総合順位と最も相関するのはどの区間の順位か?
また、①②の分析を踏まえて専修大学が次回の箱根駅伝で取るべき区間配置案も考えてみました。
各データは箱根駅伝公式ホームページに掲載されている情報をもとに作成しています。
①タイム差がつきやすい区間はどこか?
過去5大会の区間タイムのバラつきをExcelのSTDEV.P関数を使って調べました(対象は関東学連選抜を含む各区間107人)
STDEV.Pは標準偏差を求める関数です。タイムのバラつきが大きい=タイム差がつきやすいということを意味しています。

分析の結果、最もタイム差がつきやすいのは5区であることが分かりました。
これは何となく想像通りの結果でした。山登りという特殊区間であること、走行時間が最も長い区間であることが要因でしょうか。
次いで、走行時間が2番目に長い10区、3番目に長い9区が差がつきやすい区間でした。
両区間とも気温が上昇する時間帯に走ること、単独走で力量差が出やすいことも影響しているのでしょうか。
4番目以降に差がつきやすい区間は3区、2区、4区、1区と往路区間が続きました。
3区は往路のなかでもかなり重要区間と言えそうです。2区は各校のエースや留学生が走るので、3区ほど差がつかないのでしょうか。1区は集団走が中心なのであまり差がつきにくいのは予想通りです。
そして、最もタイム差がつきにくい区間は7区、次いで6区という結果でした。
個人的には最も走行時間が短い6区が最も差がつきにくいと思っていましたが、特殊区間ということで対応力の差が出るのでしょうか。
以上を踏まえると、以下の3つが言えそうです。
・5区をしっかり走れる選手の確保は必須であること
・9区10区にも力のある選手を配置できる選手層が必要であること
・2区にエースが走った後の3区も重要であること
②総合順位と最も相関するのはどの区間の順位か?
過去5大会の区間順位と総合順位の相関関係をスピアマン相関係数を使って調べました。(対象は関東学連選抜を除く102校)
総合順位と相関している区間=重要区間と捉えることができます。

分析の結果、最も総合順位と相関しているのは8区の区間順位である、というやや意外な結果が出ました。
総合優勝するには後半区間に力のある選手を配置できるだけの選手層を持っていなければならないということでしょうか。
2番目に相関係数が高いのは3区でした。①の分析同様、3区は重要な区間であると言えそうです。
次いで、7区、9区、10区と復路区間が続きます。やはり後半区間の順位が総合順位に直結するということでしょう。
相関係数が低い順には6区、2区、1区という何となく予想通りの結果でした。
6区は走行時間が短い区間ですし、2区は留学生の力で下位校でも区間上位になることがあり得ますし、1区は集団走からのラストスパート合戦で意外な順位になることがあり得るからでしょう。
以上を踏まえると、後半区間に力のある選手を配置する必要があると言えますが、各校往路に主力選手を配置したうえでの話なので、要するに選手層が必要ということのようです。また、往路のなかでは3区が重要であるということは押さえておきたいポイントです。
専修大が次回の箱根駅伝で取るべき区間配置を勝手に考えてみた
①②の分析結果から、
・2区は他校に合わせてエースを起用せざるを得ない(統計学関係なし)
・3区は総合順位と相関しやすいので重要
・5区はタイム差が最もつきやすいので重要
・8区から10区も重要
ということが言えますので、候補者をピックアップしてみました。
1区はここ2年木村選手を配しましたが(今年は欠場)、木村選手は他の重要区間に持ってくるとして、スピードがある新1年生の大西選手を推します。
2区はキサイサ選手に他校の留学生と張り合ってもらい、3区の重要区間は木村選手に任せて順位を上げてもらいましょう。
4区は今年走る予定だった千代島選手か、今年走った新井選手でしょうか。2人共この先1年間の大幅な成長を期待したいです。
5区が最大の悩みどころです。福田選手という案もありますが、新1年生のなかから登り適性のあるスペシャリストが出てくることを期待したいです。
6区は今年の活躍を考えれば粟江選手しかいないでしょう。
7区は新井選手か千代島選手でしょうか。
8区は総合順位に最も相関する区間なのでキャプテン田島選手に任せたいです。
9区は水谷選手、10区は野下選手でしょうか。両区間とも重要なので長い距離が走れて安定感もある2人を推します。
今年は選手起用に苦労しただけに、ここで挙げた選手以外にも何名もの候補選手が出てくることを期待したいです。